2015年2月発売のThinkPad Helix 2ndのレビュー

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Helix 2ndの写真

開封後の写真。画面はグレアで僕の姿もよく映る。

2014年の9月に発表された新しいThinkPad Helix。トラックポイント付きのUltrabook Proキーボードがついてくるというのでずっと期待してまっていたのだが,日本で発売されたのは2015年の2月末になってからだ。今回は第一陣で購入してから2周間以上使った感触をつらつらと書いてみた。

ちなみに,最近は「新しい**」とかいうネーミングが多くて困るなぁとか思っていたら,Helixの場合はどうやらThinkPad Helix 2nd Genが正式名称のようだ。

外見に関しては Core M搭載2-in-1PC レノボ『ThinkPad Helix』をじっくり触りました:IFA2014 - 週アスPLUS なんかを見れば十分だし,僕は下手くそなので撮らないことにする。

たぶんHelixというとキーボード着脱式でタブレットとしても使えるっていうのが一番のウリ。だがしかし,僕としてはタブレットとかはどうでもよくて,

  • トラックポイントがついていて
  • それなりに高解像度
  • OfficeとかFirefoxが快適に動作する程度にパワフルなCPU
  • ファンレスでゼロスピンドル
  • トリプルディスプレイ可能

なノートPCだから買った。実際,購入してから一度もタブレットモードを使ったことがないし,必要性を感じることもない。

スペック詳細とベンチマーク

スペック詳細とベンチマークについては, 別記事:ThinkPad Helix 2ndのベンチマークをとってみた にあるので,そちらを参照してほしい。

簡単にまとめておくと,僕が購入したのは

  • Intel Core M-5Y71 CPU @ 1.20GHz
  • SSD 128GB
  • デジタイザー付き
  • バッテリー&トラックポイント内蔵の Ultrabook Pro Keyboard
  • Intel Dual Band Wireless-AC 7265 Wi-Fi + Bluetooth

で16万円程度な個体。デジタイザー付きでペンも付属していたが,ペンホルダーが無いのが謎。

トラックポイント

一番心配していたのはトラックポイント。Helix 2ndではクリックボタンも復活しているので,古いThinkPadと外見は同じだ。 TrackWheel も使えるし,ドリフト現象を含めて昔と同じように動作するのだが,唯一違うのはデフォルトで左クリックボタンが効かないことがある点だ。キー入力の直後にトラックポイントの左クリックボタンを押しても動作しない。

例えば, j などの通常のアルファベットのキーを押下した直後に左クリックボタンを押しても動作しない。一呼吸置いてから左クリックすれば動作する。一方, Ctrl-j のように修飾キー付きや F1 のようなファンクションキーの場合は直後でも問題なく動作する。また,中クリックや右クリックは問題なく動作する。

これはWindows8.1のタッチパッドの誤タップ防止機能のせいだ。 この機能はチャームの 設定 -> PC設定の変更 で呼び出せる画面から

PCとデバイス -> マウスとタッチパッド -> 入力中に誤ってカーソルを動かさないように、クリックが動作するまでの待ち時間を変更します。

を「待ち時間なし(常に有効)」に設定しておけば無効になる。

設定画面

「待ち時間なし」に設定するとトラックポイントの左クリックの待ち時間もなくなる

トラックポイントはタッチパッドとは違うのだが,偉い人にはそれがわからないようだ。

キーボード

昔のX60世代のキーボードと比較すると,キーストロークは浅いし確実に劣化している。 だが,最近の Bluetooth トラックポイントキーボード に慣れていれば,ほとんど問題はないという印象だ。Bluetoothキーボードと比較して

  • 良い点
    • バックライトがある
    • ファンクションキーの間に間隔が空いた
  • 悪い点
    • EndキーとInsertキーが1つにまとめられてしまった

という感じか。EndキーとInsertキーがまとめられた結果,ファンクションロック(FnLk)するとInsertになってしまうのは問題だ。Homeキーは直接押せるのに,Endは Fn+End になるという非対称的な動作となる。この辺りはAutoHotkeyやら何やらでソフトウェア的に対応でき,本質的な問題にはならないけどね。

タッチパッド

タッチパッドの設定画面

なにやらたくさん機能があるが,感度も悪いし(コツが有る?)トラックポイントさえあれば使うことはない

僕は購入してすぐに無効にしており,ほとんど使っていないのだがタッチパッドもある。タッチパッドの一番手前側には物理的に沈み込むクリックボタンが付いている。このあたりはおそらくX250など同世代のThinkPadで共通なのだろうか。

このタッチパッドには3本指クリックとかジェスチャーとかいろいろ機能があるのだが,慣れないとうまく動作しなかった。これを目当てに買うぐらいならMacにすべきだろう。

ディスプレイ

まず,グレア(光沢)ディスプレイなので鏡のようによく映る。ノングレアの画面保護フィルムは必須だ。なのだが,現時点(2015/03/14)ではThinkPad Helix 2nd はマイナーすぎて画面保護フィルムとか,ケースなどのアクセサリーは皆無といっていい。仕方ないので旧機種の保護フィルムを貼っているが,フィルムのサイズが一回り小さくて辛い。

昔のThinkPadでは画面にトラックポイントの圧迫痕がつくことがあった。本機種ではトラックポイントの代わりに,キーボードにあるゴム足のあとが残る。拭けば取れるのでいいのだが,カッコ悪い。

カッコ悪いといえば,画面の額縁もそうだ。Full HDの解像度は悪く無いが,なんとも額縁が広く感じる。タブレットとして持つには必要な余白なのかもしれないが,そんな使い方しないし不格好。できれば額縁の分だけ筐体を小さくするか,ディスプレイを大きくしてほしかった。Windowsキーとかいらないので,額縁の分だけ縦にもう少しピクセルが欲しい。

なお,Retinaディスプレイとかではもっと高解像度な液晶もあるが,現状のWindowsと僕の視力ではFull HDが限界に近い。

あと,本機種は画面上部のカメラ横に照度センサーがついていて自動的に輝度を調整してくれるのだが,室内でも頻繁に輝度が変化するので鬱陶しい。これは真っ先にOFFににした。

ディスプレイ周りで一番問題なのは再起動,スリープからの復帰時にDisplayPortの画面出力が復帰しないことだ。アダプターを抜き差ししないと映らない。これは僕の使っているアダプター Amazon.co.jp: Cable Matters 金メッキコネクタ搭載 Mini DisplayPort | Thunderbolt オス → VGA メス 変換アダプタ(ホワイト) の問題かもしれない。ついでに書いておくと,Sleepからの復帰で無線LANも手動で繋ぎ直さないといけなくなることがある。

発熱

Core M採用でファンレス,ゼロスピンドルで静音なのは非常に快適。ファンレスとなると気になるのは発熱だが,Helixの場合はキーボード側にCPUがないので,昔のX61のように膝や手のひらが低音やけどすることはない。細かいことだがこれは意外と重要で,X60系ユーザーの悲願あるいはディスプレイ着脱式ギミックの唯一の利点といっていいだろう。

キーボード側に熱源がないということは,別に毛布の上に置いてもなにも問題ないということだ(何かあっても責任はとれないが)。この時期は寒いので布団の中で操作したくなることも多いのだが,Helixならば気軽に寝落ちできる。一方,X61なら火事を覚悟しなくてはならない。

ちなみに,よほどCPUを酷使しない限りディスプレイ側もほとんど発熱することはない。というか(ファンレスなので)音もしないし,触らないので発熱を意識することがないと言ったほうがいいかもしれない。

着脱式のギミック

正直,1.7kgはノートPCとしても重量級だ。タブレットとしては言わずもがなである。キーボードをパージしても795gであり,11インチ/800gのタブレットは大きくて重すぎる。持ち運んで使いたいとは思わない。(着脱して軽量化できるHelixですら辛いのに,Yogaみたいなやつをタブレットとして使える人はかなりのマッチョ)

しかし,Proキーボードはバッテリーと簡単な基盤ぐらいしか入っていないだろうに,なぜ本体よりも重いのか。バッテリーだって本体のほうが1.4倍大きいのを積んでいるはずなんだが...

ちなみにHelix 2nd Genは115度までぐらいしか開かないが,前後逆にドッキングすればYogaみたいなタブレットモードとかテントモードにもできる。 (テントモードの参考画像: Core M搭載2-in-1PC レノボ『ThinkPad Helix』をじっくり触りました:IFA2014 - 週アスPLUS ) やってみたところ,テントモードでは律儀にキーボードが無効になる。

躊躇なく横置きできるのは便利かも

発熱とか故障を気にしないで横置きできるのはちょっと便利かも。

最初に述べたように,物珍しさ以外では着脱することはほとんどない。だが,タブレットとして使えるように考慮されているということは,1080x1920の縦長ディスプレイとして使うために横置きしても何も問題ないということだ。外付けのキーボードやらディスプレイをつなげてデスクトップ的に使うときに便利。写真ではラップトップモードだが,タブレットモードにしたほうが収まりがいいだろう。着脱式のメリットはこういう方向性にあるのかもしれない。

バッテリーと電源まわり

Helix 2ndのバッテリーは本体側に36WhとProキーボード側に26Whのバッテリーが積まれている。で,キーボード側のバッテリーから使用されていき,5%まで減少したら本体側のバッテリーが使用されるようになる。常にキーボード側のバッテリーが酷使されるので劣化が心配になる。このあたりの設定はどこかでいじれるのだろうか。

実際に使ってみるとバッテリーは無駄に長持ち,という印象。日常的に使用していてバッテリーが切れるということはまず無い。僕の使い方(トリプルディスプレイでWebブラウジングしながらVimでコーディング,頻繁にコンパイル)でモリモリバッテリーを消費しながら3時間ぐらい経つとキーボード側のバッテリーがなくなるくらい。本体のバッテリーも合わせれば更に長く使える。

また,ACアダプターの穴は本体側とキーボード側の両方にある。キーボードを接続したまま,ACアダプターを本体側に挿すとAC駆動はするがキーボード側に充電されることはない。一度に2つのACアダプターを差すとどうなるのかは怖いので試していない。2倍速で充電!にはならないと思うがどうなのだろうか。

なお,HelixのACアダプターはThinkPad 10などと共通の 12V x 3A = 36W なので旧機種の丸型ACアダプターを変換アダプタ経由で流用とか,そういうことはできない。

拡張性

どこかのMacBookのようにUSB端子1つではないが,ThinkPadとして豊富な拡張性とは決していえない。それでも,最低限 Amazon.co.jp: Logitec 有線LANアダプタ USB3.0 USB HUB付 LAN-GTJU3H3 のような有線LAN付きのUSBハブとVGAへの変換アダプタさえあれば不満はない。

IEEE 802.11acなら速度的に有線LANと遜色ないし,プロジェクタやレガシーなディスプレイにつなぐことを考えなければVGAもいらない。

まとめ

購入直後は失敗かと思ったが,Windows8.1の設定を粘り強くいじれば快適になる。ディスプレイの額縁は慣れる。Windows 8.1な上にハードウェアもなかなか尖っているだけに,最初はダメだが我慢して使っているうちに良さがわかってくるという印象だ。タブレットとして使えること自体に価値はないが,それに付随する価値(キーボード側に熱源がない,ファンレス)は捨てがたい。値段相応の価値があるかと言われると微妙だが,待ちに待った理想のPCに一番近いとはいえる。

その点では新しいMacBookに近いものがある。 林信行の実機リポート:「新しいMacBook」を選ぶ本当の意味 (1/5) - ITmedia PC USER のように,Helixも良さを語るのにやたら言い訳が必要になるがハマる人はハマるPCだ。

Pros

  • トラックポイントがある
  • 無駄にバッテリーが長持ち
  • 実用的な高解像度
  • OfficeとかFirefoxが快適に動作する程度にパワフルなCPU
  • ゼロスピンドルで静音
  • キーボード側は熱くならない (熱源に触れることがない)
  • トリプルディスプレイ可能

Cons

  • キーボードの劣化
    • ファンクションロックするとEndキーがInsertになる
  • 再起動,スリープからの復帰時にDisplayPortの画面出力が復帰しない
    • アダプターを抜き差ししないと映らない
    • アダプターの問題かも

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